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AIベースCBMプラットフォーム BiG EYES MMTM
設備保全を取り巻く状況とCBMへの期待
製造業を取り巻く環境は、脱炭素化、循環経済、厳しい環境規制などに加え、労働力人口の減少や働き方改革への対応も求められている。これらの課題に対処するには、安定操業が大前提であり、それを担保するために、設備管理レベルの維持向上がこれまで以上に重要になっている。しかし、設備の高経年化が進む一方で、熟練保全員は減少しており、設備管理レベルの維持すら容易ではなくなっている。
こうした背景から、従来から取り組まれてきたCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)への期待があらためて高くなっている。生産装置を構成する多種多様な設備や機器に対してCBMを実現できれば、設備保全の究極のゴールである突発故障のゼロ化と保全コストの最小化が実現される。さらに、設備保全に従事する方の精神的な負担が低減され、属人化が解消し、多様な働き方の実現にも貢献する。
AIベースCBMプラットフォーム「BiG EYES MM」とは
「BiG EYES MM」は、自律型設備管理コンセプトの下に開発された、AIがリアルタイムに設備状態を判定し、幅広い機器を対象に、汎用的かつ網羅的にCBMを実現するプラットフォームである。これまでも、重要機器を対象とした用途特化型の診断システムによるCBMの事例はあったが、ごく一部の限られた機器が対象で、工場全体に広く展開することは難しかった。
「BiG EYES MM」の特長は、このCBMを特定の機器だけでなく、さまざまな設備に対して汎用的に実現できる点にある。設備ごとに個別の専用システムを構築するのではなく、共通のプラットフォーム上で監視モデルを構築・運用し、工場全体のCBMを実現する。
設備管理用データと運転データの組み合わせによる汎用的なCBMの実現
「BiG EYES MM」は、設備状態監視のための振動計や電流計などのデータに加え、生産ラインや製造装置から取得される温度や圧力、流量といったプロセスデータ等も、AIによるリアルタイム判定に用いている。これは、設備状態が、運転負荷などの製造プロセス側の条件に大きく影響を受けるためである。たとえば、同じ振動値や電流値であっても、運転条件が異なれば、その意味合いが変わる場合がある。
「BiG EYES MM」では、こうした複数のデータの関係性をAIが捉えることで、幅広い設備や機器を対象に、精度の高い状態把握を実現している。設備や機器ごとに専用のシステムを個別導入する必要がなく、また、既存のセンサや制御システムに蓄積されたデータを活用できるため、新たな計測機器の追加を抑え、投資費用を低減できる。

汎用的なCBMを実現する仕組み
多様な設備に対応する3種類のAIアルゴリズム
「BiG EYES MM」には、それぞれ特徴の異なる3種類のAIアルゴリズムが搭載されている。いずれもアズビル独自のアルゴリズムである。機器の原理やセンサの有無、故障モードなどに応じて、AIアルゴリズムを選択または組み合わせて使用している。

「BiG EYES MM」のAIアルゴリズム
保全業務に最適化したWeb画面で現場の意思決定をサポート
「BiG EYES MM」は、普段使用している業務PCのWebブラウザから、担当者が必要なタイミングで設備状態を確認できる。異常の予兆を検知した場合には、担当者にメールで通知される。また、ロングトレンドで設備状態の推移を把握でき、いつ、どのような保全アクションを取るべきかの意思決定を支援する。

「BiG EYES MM」利用イメージ
企業全体で利用可能なエンタープライズシステム
「BiG EYES MM」は、企業全体で利用可能なエンタープライズシステムである。複数拠点の設備状態を横断的に把握できる。これにより、本社部門や設備管理部門が、各拠点の設備状態や保全状況を一元的に確認し、全社的な設備管理レベルの向上に活用できる。
ユーザごとに担当設備を設定することで、各担当者は自身の担当設備にすばやくアクセスでき、日々の保全業務の効率化につながる。
「BiG EYES MM」は、利用規模に応じてサーバ台数やユーザ数を増減可能なスケーラブルなシステムである。小規模な導入から始め、効果を確認しながら対象設備や利用部門を拡大することも可能である。
ユーザ自身でAI監視モデルを構築
「BiG EYES MM」のAI監視モデルは、「BiG EYES MM」コンフィギュレータを使用して、設備管理部門の担当者自身で構築でき、プログラミングやAIの専門知識は必要ない。現場の設備をよく知る担当者が、自ら監視対象や使用するデータを設定し、設備の特性に合わせたAI監視モデルを構築できることは、運用面での大きなメリットである。
また、監視モデルを構築・運用する過程で、熟練者が持つ設備保全の知見を形式知化し、ノウハウや技能の継承にもつなげることができる。
まとめ
「BiG EYES MM」は、工場内のさまざまな設備や機器を対象に、TBMからCBMへの移行を推進するプラットフォームである。担当者の迅速な状況把握と意思決定の支援に加え、企業全体の設備状態を横断的に把握でき、全社の設備管理レベルの向上に貢献する。加えて、ユーザ自身で構築できる仕組みにより、保全ノウハウの形式知化と技能継承を促進する。また、設備管理に従事する方の精神的な負担を低減し、多様な働き方を可能とすることで、Well-beingにも寄与する。
今後も「BiG EYES MM」は、さらなる進化と多様な産業への適用を進め、設備管理の自律化とDXを具現化することで、サステナブルなものづくりと持続可能な社会の実現に貢献していく。
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アズビル株式会社 自律化システム事業推進部
TPM賞とは
TPMによって成果をあげている国内外の事業場や、設備管理技術の発展に寄与する優秀な論文・商品、個人の貢献等を審査・表彰する制度です。TPM賞には、5つの賞があります。

本記事では、優れたメンテナンス関連機器を表彰するTPM優秀商品賞を受賞された商品を紹介しています。
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