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装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.33

2026.08.03

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応力腐食割れ、試験片で割れなくても実機で割れないと判断すべからず

 応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking、SCCと略す)は、その発生の予測が難しい現象の1つである。
 実機でのSCCの発生を予測するためには、U字曲げ試験片やH型(溶接)拘束試験片などの応力の負荷された試験片を想定される環境もしくは実機環境に浸漬する、割れ発生試験を行う場合が多い。そして、それらの試験で割れが発生しなければ、実機でもSCCは生じないと判断されることが多い。
 しかし、SCCは、中性の低濃度変化物イオン含有環境のように、すき間腐食等で局部的に過酷化した部位でのみ発生するタイプや、実機の溶接部など残留応力の高い部位で、立ち上げ、休止過程での圧力変動での動的なひずみを受けた状況でのみ発生するタイプがある。これらのSCCは、U字曲げ試験片のように開放面で静的なひずみ状態では再現できない。
 下表に示すように、すき間等で局部的に過酷化した環境のみで発生するSCCについては、すき間付試験片を用いた浸漬試験を行い、当該環境ですき間腐食が発生するか否かを評価することが必要である。動的ひずみがSCC発生の必須要因である場合は、想定環境中での定ひずみ速度(Slow Strain Rate Test、略してSSRT)試験を行う必要がある。
 すなわちU字曲げなどの試験片の浸漬試験でSCCが発生しないからと言って、実機でSCCが発生しないと判断することは、危険性が残ることになる。このためSCCの発生要因を検討し、必要に応じてすき間腐食試験やSSRT試験なども活用して、SCC発生可能性の検討をすることが重要である。

表 応力腐食割れ試験方法とそれらの特徴

図 応力腐食割れ予測試験時に考慮すべき視点

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