DX・デジタル
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製造現場のDXの進め方を考える ②
2026.04.10
人手不足の深刻化や、業務効率化のニーズが高まっていることから、現在ではさまざまな業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されており、製造現場にでも例外ではありません。 しかし、「どのように進めればよいか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。そこで、本記事では製造現場で実践しているDXの内容を掘り下げていきます。
サステナブルなモノづくりのために No.108
2026.03.04
世の中、レアメタル・レアアースの資源確保の話題で持ちきりである(今回は、全力エッセーモードです)。先日もクローズアップ現代でこの話題が取り上げられていて、友だちのSさんがゲストで出演していた。そもそも、トランプが世界の自由貿易制度をぐちゃぐちゃにして、挙げ句に、中国にレアアースを禁輸するぞと脅されて腰砕けになり、さらには、中国が日本にレアアースで圧をかけてきている影響が大きい。日本には2010年の尖閣諸島絡みで中国がレアアース禁輸したトラウマがある。ということで、レアアース問題が急激に盛り上がり、サーキュラー・エコノミー(CE)に変な追い風が吹いている。 CEが流行り始めた2015年当初から、欧州でもレアメタルを含む重要鉱物(欧州ではクリティカル・ミネラルという言い方が一般的)は大切なトピックの1つであった。第2期トランプ政権になったとき(まだ1年前か、随分長く感じる)、地球温暖化やDEI(Diversity、Equity、Inclusion)は禁句になったが、CEは意外と生き延びるのではないかと思っていた。その理由の1つがこれである。つまり、アメリカを強くするための重要鉱物確保が必要で、CEは有力な手段になる。もう1つの理由は、トランプが言っていたのはアメリカ国内に製造業を復活させることで(最近は薄れてきた気がするが)、そこにはリマニュファクチャリング産業が含まれるだろうと思ったからである。アメリカでは自動車を修理するための交換用部品は、自動車メーカーは最初の数年しか保有しておらず、あとはリマニュファクチャリング産業が賄っている。従って、アメリカの自動車部品リマニュファクチャリング産業は巨大であるし、キャタピラーのように建機のリマニュファクチャリングなども盛んである。だからリマニュファクチャリング産業への追い風になり得ると思った。実際例えば、Remade Instituteといった団体も、トランプの時代になっても、アメリカ政府から予算も降りているし、元気である。と思って今HPに行ってみたら、トップページは、 “Critical Minerals Recovery & Recycling”と書いてある、ご多分に漏れず。 ではレアアースの資源確保手段としてCEは決定打となりうるのか。もう少し絞って、日本国内のレアアースの資源確保の手段として、CEの中でも材料リサイクルは決定打となるのか。ファイティングポーズと実ビジネスの2つのレベルの話があると思っている。ファイティングポーズというのは、中国に向かって我々にはCEという手札があるから怖くないよ、というメッセージに使うという意味である。先日話題になった南鳥島にレアアースを試掘に行った話もまあ同じである。ポテンシャルはある、という意味では持っておくべき手札ではある。 じゃ、実ビジネスではどうかというと甚だ怪しい。そもそもレアアースは、金、銀、銅、プラチナと違って、価格が安い、だから使われる。このため、これまでリサイクルしてもペイしないから誰もしてこなかった。やってそうな雰囲気はいろいろなところで醸し出されているが、経済的理由で全然やられていない。レアメタル・レアアースをリサイクルする技術開発は昔から散々やられていたのだが、結局、実ビジネスでは、中国産のバージン材に勝てないから誰もやらない。レアアースは、産出国が限られているという特徴もあるが、その精錬を中国が独占していることが痛い。だから、南鳥島でレアアースが仮に工業的に採掘できたとしても問題の解決は遠い。中国は政策的に価格競争を仕掛け、アメリカやオーストラリアなどのレアメタル・レアアースの製錬業を撤退に追い込んだ。特に、これらの精錬は環境に悪影響を与えるので、環境規制の緩い中国が経済的に圧倒的に有利な状況にある。中国は賢くも様々な手を打ちながら時間をかけて独占状態を築き上げてきたのである。 それに対抗して、日本のリサイクルで資源確保できるのか。経済性を無視すればまず道は開ける。それにしたって量が足りない。新製品を製造するために必要な量より、使用済み製品の回収量、そこから取り出せる収率を考えたら、量が足りるはずがない。その上、自動車リサイクラーの人達が嘆くように(彼らもレアメタル・レアアースのリサイクルをやっている訳ではない、念のため)、現在日本では、使用済み自動車の約4割が輸出されていると言われている。これが大きな資源流出になっているという議論は多い。自由貿易国であるこの国がこの流れを止めるようなことをするか。そもそも輸出で儲けている国が、中古車・廃車は流出を止めるのかとか、そもそも資源は外国から来たのだから出て行ってしまっても仕方が無いとも思うし、この辺は釈然としない。レアアースの備蓄の方が効果的と、偉い先生が言っていたような気がする。 この変な追い風で、CEへの注目度は上がるであろう。そういえば、欧州のELV規則に始まるリサイクルプラスチックを使って製造しなければいけないという話も言ってみれば変な追い風の類で、本当に本当のところ、Sustainabilityに貢献するかといわれると疑問である。資源確保という意味でレアアース騒動の方が実効性は高い。これらを通じて、製品ライフサイクル全体を見るようにするとか、ライフサイクル全体の循環システムをちゃんとデザイン、管理、評価するとか、動脈産業と静脈産業の垣根をなくすとか、環境配慮設計に実効性を持たせるとか、CEで言うところのSlow、Narrow、Close、Regenerateを実践するとか、CEに至る方策の実践を促すという効果はあるであろう。 この変な追い風を前向きに捉えると、様々な外的環境の変化に対する準備を怠らず、レジリエンスを高めるという意味では「サステナビリティ経営」には現世利益的な意義もあるよねという話になるだろうし、CEコマースやリサイクルにも注目とお金が集まる効果はあるだろう。この状況が真綿で首を絞めるようにじわじわと長期にわたって悪化するのか、マスコミによる一時のブームであっという間に忘れ去られるのか、どっちが嬉しいのだろう?
第157回「オルガン自動演奏装置 と オープンコレクタ」
2026.04.03
サステナブルなモノづくりのために No.109
2026.04.08
ChatGPTや画像を生成する生成AIの話題が相変わらずホットである。先日、コンサルの人と話しをしていたら、今や米国の超有名大学を卒業しても就職口がみつからない。AIの影響で人減らしが既に始まっているとうい話を聞いた。日本社会はもう少し人間に対して優しい社会だと思うが、本当にそういう時代が来たのか・・・。 確かに、例文を作って貰ったり、翻訳したり、いろいろ大変便利ではある。我々の研究室でも生成AIを使った研究は多少はやっていて、そこで気付いたことを紹介してみる。細かいことを言うと、今回の主題はChatGPTに代表されるLLM(Large Language Model)で、それは生成AIの一種。他には画像生成AI、音声生成AIなどが生成AIに含まれるそうである。 昨年度LLM関係で面白かったのは、リマニュファクチャリング(使用済み製品を新品同様の品質まで再生すること、略してリマン)設計ガイドラインをLLMを使って導出するという研究である。リマン設計はサーキュラー・エコノミー(CE)実現のために普及させなければいけない典型的なエコデザイン手法の1つである。しかし、一般の設計者は、まだまだリマンに興味がないし、そういった設計者にどうやってリマン設計、広く言えばエコデザインを具体的にやってもらうかが大きな課題である。 問題の1つは、世の中にはリマン設計のためのガイドラインが掃いて捨てるほどあるのだが、抽象的過ぎて、エコデザインを知らない、実際のリマンの工程を知らない設計者にとっては、どうすりゃいいのよということになる。例えば典型的なガイドラインに、「分解性、交換性を高めるために、製品をモジュール化せよ」というのがある。これだけだと設計者はどうすりゃいいのよとなるか、適当に想定して余り役に立たないモジュール化をしてしまうことになる。このガイドラインを設計対象の製品に合わせてより具体化してやって、「電子レンジでコア部品であるマグネトロン(という部品があります)を交換し易くするために、マグネトロン周りをモジュール化せよ」という形で示してやれば、設計者の納得性も上がり、設計しやすくなると考えた(実際には、産総研、パナソニック社との共同研究です)。
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製造現場のDXの進め方を考える ②
2026.04.10 無料会員
サステナブルなモノづくりのために No.109
2026.04.08
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2026.04.03
第156回「切れたヒューズ と 尊い犠牲」
2026.03.11
サステナブルなモノづくりのために No.108
2026.03.04
製造現場のDXの進め方を考える ①
2026.02.25 無料会員
第155回「いまさらのAIことはじめ と 教育の方針」
2026.02.04
サステナブルなモノづくりのために No.107
2026.02.04
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2026.01.28
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サステナブルなモノづくりのために No.106
2026.01.07
DXの活用がカギ! 生まれの良い設備づくり ①
2025.12.24