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装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.34

2026.08.17

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密閉循環式冷却水、空気と接触させるべからず

 温度の低い冷却水(冷水やブラインとも呼ばれる)などは、熱ロスや系外への含有成分放出による環境影響を考慮し密閉循環式で使用される場合が多い。この冷却水系に炭素鋼製熱交換器が使用されている場合は、冷却水が貯槽や冷却装置で大気と接触させることは避けることが重要である。
 その理由は、中性水溶液環境での炭素鋼の孔食状腐食や全面腐食は、冷却水中の溶存酸素に支配されるためである。
 例えば、下図の左側に示すように冷却水系の貯水槽が大気開放の場合は、この部分で冷却水中に溶存酸素が溶け込み、その冷却水で冷却される炭素鋼製熱交換器の伝熱管の腐食を加速する。
 この例の場合は、図の右側に示すように冷却水貯槽に密閉できるカバーを設け、その内部に窒素ガスを導入することにより、冷却水の大気との接触を避け、冷却水中の溶存酸素濃度を低下させる、すなわち脱気することが可能となる。これにより炭素鋼製熱交換器の腐食を著しく抑制される。この際、冷却水中の溶存酸素をセンサにより監視できれば、炭素鋼の腐食抑制をより確実に行うことができる。
 以上のように密閉循環式冷却水系では、炭素鋼製熱交換器などの機器の腐食防止のため、冷却水の大気との接触による溶存酸素混入を避け、脱気することが重要である。

図 密閉循環式冷却水での炭素鋼腐食への溶存酸素の効果

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