
日本プラントメンテナンス協会では、毎年、設備を使うユーザー企業の設備管理・保全に関する実態を調査する「メンテナンス実態調査」を実施しています。ここでは、2023年度の報告書より、人材育成に関する調査結果を紹介します。
保全はますます難しくなっている!?
「保全の難しさ」について質問をしたところ、約75%が「より難しくなっている」との結果となりました。それでは「何がどのように難しくなっている」のでしょうか? DXや自動化による設備の高度化や台数増加、高経年化設備など、設備管理・保全部門にはオールラウンドかつ専門的な人材が求められますが、改めて保全人材の育成が問われる結果となりました。

仕事は増えて忙しいのに人は増えない
「設備管理・保全の業務量」は、自社従業員において、66%が「増加している」との結果で、外注業者の43%と比べて大きいです。また、「設備管理・保全の資源の過不足」について「不足している」は、上位から順に「人員」(71%)、「技術」(64%)、「時間」(60%)、「情報」(38%)、「資金」(35%)でした。これは、仕事が増えているが、人も時間も足りなく、技術レベルにも不安があることがわかります。

次に、「負荷が高い業務」では「人の能力への対応」(67%)、「自社従業員の現場の実施作業」(53%)、「報告・管理業務の増加」(45%)となり、前述の「人員」「技術」「時間」の裏付けとなりました。

そして、「これからの業務に必要な能力」の「不安」な順は、「人材力」(41%)、「技術力」(27%)、「仕組み」(23%)、「情報」(14%)であり、ここにも人材への不安さがあらわれました。

やっぱり“人づくり”
ここまでを見ると、人材育成に注力し技術・技能を高めることが重要であることがわかりますが、さらに深刻な人手不足というマイナス因子が強く作用しています。「保全人材の応募が少ない」「夜間呼出しや休日出勤が多く定着率が悪い」「新人は先端技術に興味を持つが、保全の注目度は低い」――。このように、設備管理・保全の魅力の低さと人手不足のダブルパンチにより、育成の対象となる人の確保も困難になりつつあるようです。
ものづくりが設備中心に変化を続けている昨今、設備管理・保全人材の確保・育成のニーズは間違いなく増加しています。久しく言われてもいますが、経営陣は設備管理・保全の重要性を認識し、積極的な施策を講ずるべきと思われます。
日本プラントメンテナンス協会のホームページでは、報告書の概要を公開しています。ぜひご覧ください。また、2024年度の調査を2024年4~6月に実施しております。ご協力のほどお願いいたします。
※本記事のお問い合わせは、JIPM・調査研究チームまで rd@jipm.or.jp