改善活動・からくり改善
注目記事
からくり改善のための「機構学」入門 No.8 往復スライダクランク機構(その2:数学準備編)
2025.11.06
前回から往復スライダクランク機構を題材として取り上げ、その動作について解説することにしました。まずは、基本的な構造と原理を復習し、次に、回転するクランクの角度とスライダの位置の関係を数式で表しました。その結果、リンクの長さが「ある条件」を満たす場合には、クランクを一定の速度で回転させたとき、スライダの動きが「ほぼ正弦波状」になることを確認することができました。 位置の関係式が求められれば、数学的には、これを微分することで、速度や加速度を求めることができます。しかし今回は、その準備編として微分の復習を行いたいと思います。機構学やからくり改善とは直接関係のない話に見えるかもしれませんが、運動を理解するための大切な基礎知識ですので、ぜひ目を通してみてください。
からくり改善のための「機構学」入門 No.3 てこクランク機構の揺動角度(本編:応用問題)
2025.06.02
前回は、てこクランク機構において、リンクの長さが決まっている場合に揺動角度を求める手順を説明しました。これは余弦定理を素直に適用することで揺動角を簡単に求めることができる基本問題でした。 今回は、からくり改善の現場で実際に生じるであろう実用的な問題として、指定された揺動角度となるようにリンクの長さを設計する応用問題に取り組んでみたいと思います。
事例で分かる! 進化する「からくり改善」①
2025.07.31
現場にある困りごとや課題を、そこで働く人たちが見つけ出し、重力などの自然エネルギーや、歯車やてこの原理などの簡単な機構・仕組みを用いて、環境負荷を少なくローコストに改善するもの。これが「からくり改善」です。 本記事では、さまざまな事例をもとに「からくり改善」の今後の可能性について考えていきます。
からくり改善のための「機構学」入門 No.4 てこクランク機構の成立条件(前編:条件式の導出)
2025.07.01
第4回の記事を書くにあたって、本連載の第1回から第3回までを振り返ってみました。まず第1回では「てこクランク機構の復習」を行い、続く第2回では「構成するリンクの長さから揺動角度を求める方法」、そして、第3回目では「指定された揺動角度を得るために必要となるリンクの長さを求める方法」について計算手順の説明を行いました。以上の説明で、少々言い過ぎかもしれませんが、てこクランク機構の基本的な設計ができるようになりました。しかし、この振り返りをしてみて、何かが抜けている気がしました。そうです、そもそも論として、四節回転連鎖がてこクランク機構になる条件については、お話をしていませんでした。 そこで、今回は、四節回転連鎖の復習から始めて、四節回転連鎖がてこクランク機構となるためには、どのような条件が必要なのかを説明したいと思います。