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第159回「もたれかかる力 と すべる条件」

2026.06.05

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多軸重量計の開発と動作テスト

 研究に使う実験装置の一部として、高機能体重計?をつくりました。このような測定装置は専門的にはフォースプレート(床反力計)と呼ばれていますが、単なる体重にあたる上下方向の力だけではなく、水平方向(前後左右)の力が測定できたり、重心の位置が測定できたり、鉛直軸周りのねじれのトルクが測定できたりします。主には人の運動・姿勢計測などに使われています。前にその簡易版が家庭用ゲーム機のオプションとして販売され、その上で運動した動作がゲーム内に反映されたり、ヨガのトレーニングソフトにつかわれたりしていました。今回は、その上に乗せたロボットの挙動をとるのが目的で、私が一緒に乗っても大丈夫、という程度のものをつくりました。
 センサには、6軸力覚センサという3方向の力と3方向の曲げ・ねじりのトルクを測定できるセンサを使いました。たとえば産業用ロボットの手首につけると、ワークにどういう力が作用しているかを測定できるようなセンサです。これを複数使って上にプレートを載せたような形です。
 さて、計測装置をつくったら、その動作・性能を検証しなければなりません。重量方向は、そのへんの錘を乗せてみれば、自分で乗ってみれば、チェックできます(もともと、本気の校正ができるほどの精度・正確度が出る装置ではないので)。ちなみに、こういうときにペットボトルは便利です。中に水を適宜入れると、容量いっぱいまでで好きな重量を作れます。制約があるのは動かしたときにチャプチャプするとへんな共振の問題などが起きるくらいでしょうか、フタをちゃんと締めておけば(また、錘としては密度が低い)。
 重心位置も、プレートの上のあちこちに置いてみて、それらしい位置が出るか、ブレないかなどを見ます(ペットボトルは面積があるので、ピンポイントに力をかけられる治具を製作)。力計測は原理的に安定した結果を得ることは難易度高めです。というのも、一般的な力計測では、センサ内の計測のための部材(起歪体:きわいたい)を力でひずませて、そのひずみを計測します。弾性変形の範囲のひずみは小さく、かつ、ひずみから電気的変化を取り出すセンサも感度に限度があるため、その出力は、ppmオーダーということもあります。それゆえ、かなり増幅するので、電気的なノイズを拾い易かったり、温度変化による部材の変形の影響を受けたりします。その意味で言えば、体重計やキッチンスケールはすごいです(これらは電源入れて短時間だけ使うことが前提なので、温度変化の影響は受けにくい)。
 さて、水平方向の力をどうやって確認しようか、と。安直に、自分でプレートの上に乗って、壁を押したり、手を角に引っかけて横方向に力をかけてみたり。しかし、この方法は、ペットボトルを乗せることに比べると全然安定せず、「変化がでる」ことしか見えませんでした。
 ということを夜中までやっていて、ふと疲れからか、乗ったまま壁にもたれたときです。安定して力がかかりました。あ、そうか、その手があったか。

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