
日本プラントメンテナンス協会では、設備保全の仕組みとして、「経営に資する戦略的保全マネジメントシステム:MOSMS®(Maintenance Optimum Strategic Management System)*1」を提唱している。MOSMSでは、最初に「保全水準評価*2」による「保全現場の現状の仕組み」を評価することを推奨している。その評価結果を分析し、保全現場における「設備管理の課題」を明確にした後、「アクションプラン」を作成し、粛々と「計画保全再構築」を進めていくことになる。
本稿では、「保全水準評価」を実施する目的および、その必要性について述べる。
*1:MOSMSについてはこちら
*2:保全水準評価についてはこちら
保全サイクル「PDCA:Plan-Do-Check-Action」の課題
「保全水準評価」は、業務管理サイクルとしての「計画保全の仕組み」を診断する。その中で、自社の保全が「生きた仕組み」となっているかを評価する。
① 保全の属人化:閉じた保全サイクル(外部からは中身が見えない)
これまで日本の「保全」は、「KKD:カン、コツ、度胸」と呼ばれる属人的な「保全」が主流だった。その理由は、「保全」の範囲が「壊れたら直す」修理屋として認識されていた。そして、「保全」は技能者集団であるという見方が、いまだに現場では残っていることが多い。
しかし近年では、企業には持続的な存続と最適化が不可欠となっており、これを実現するための「保全」の重要性が見直されている。「保全」が属人的であればあるほど、外部からは見えにくくなり、その「仕組み」も生きているか、死んでいるかも分からなくなってしまう。
「経営者は、自社の『保全』がしっかりできていると確信を持てるのか?」「保全担当者は、経営者に対して『保全』の課題を説明できているか?」など、関係者全員にとって保全が属人化せず機能している「生きた仕組み」になっているか。すなわち、文書化と共有化による「仕組み」の「見える化」が必須である。
② 「P-D」と「C-A」の切断:業務サイクルの欠陥
保全業務サイクル「PDCA」において、「①保全の属人化」が起こるのは「P-D」と「C-A」の間が切れているからである。
保全業務のベテランでスキルのある人ほど、属人的に自分の頭の中だけで、C(チェック)以降を行いがちであり、会社の「仕組み」としての「C:チェック」「A:アクション」の機能が働かなくなる。
言い換えれば、属人的であればあるほど、仕組みでは「P-D」だけが繰り返され、「C-A」は切断される。結果、「PDCA」の仕組みはブラックボックスとなり、仕組みとして生きていない。
③ 対策:保全業務サイクルが回る「生きた仕組み」にするために
そこで、この属人化を解決するためには、いかに属人的でない「仕組み」をつくり、その「仕組み」を回し続けることがポイントとなる。
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