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第160回「縁のある立体サンプル と 論理演算」

2026.07.10

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製図の授業のサンプル

 今年度、新入生向けの製図の基礎実習を担当しています。フライス盤や旋盤、CNC機、ボール盤やタップなどの機械工作の実習とセットで、学生さんたちが班に分かれて回ってきます。製図は設計と併せて2年生で学ぶ本学科の最重要科目の一つで、そこに至るまでの基礎を経験し、また、設計や加工を学ぶ前段階として、まずはどうやって機械がつくられるかを身をもって体験する、という趣旨での科目で、1年生を対象にしています。
 本学科は工業高校出身の学生さんと普通高校出身の学生さんがいます。工業高校の機械分野出身だと、ある程度は経験済みですが、学校によって内容は異なり、ましてや普通高校出身だと中学校の技術で少しだけ触れたことがある、程度なので、そもそもいろんな点で初心者です。半期15回(15週、1週3時間)のうち、製図パートは4回分で、まずは「3次元を2次元の図で表す」ことの基礎を身につけてもらうことを目的としました。
 あわせて、現役の皆さんには想像しがたいかもしれませんが、これまで受け持っていた3年生の授業の様子を見ていると、そもそも「図が書けない・書こうとしない・めんどうくさがる」という学生さんがそこそこいます。今回1年生を担当するにあたっての私の目標は、その意識改革・誘導で、必要な時にさらさらとためらいなく図を書けるようになってくれれば、と願っています。「言葉だけで伝えるのがすごく面倒だから、それを楽にするために図を書く」と繰り返し言い、とにかくいろんな図を書いてみるように。もちろん製図ですから、規格に従ってきっちり書く、道具を適切に使う(いまも紙で教えています)、紙の上に形があるだけではなく、そこに書く順序や基準の取り方、寸法の入れ方などで、「意図・意識をこめた図」であることなども教えます。機械のための図としてこれらは重要ですが、パラメトリックの3D-CADを使う場合にはなおさら、「形の意味」は重要な考え方になります。
 さて、実習の3回目までは、道具の使い方や、作図の練習、投影法の種類などが中心で、図を書くのも「見本があって、それをなぞり、同じものを自力で書く」という系統の内容で、主には「道具への慣れと、真面目に意識して書こうとするか」が、その結果の善し悪しを決めます。経験者でも早く終わらせようと手を抜くと誤差が目立ちますし、初心者でも丁寧に作業すれば、時間はかかるものの綺麗な図が仕上がってきます。問題は最後の4回目。ここで第三角法や等角投影などで平面に書かれた図から立体を認識し、認識している立体を平面で書き表すという段階にしました。

図1 製図実習で対象にした形。左:レベル2(寸法まで正しい)、右:レベル1(似ている何か)

 これまで主に学生さんらを見てきて、この段階は個人差が大きく出るだろうと予想していました。私の印象だと、空間認識には先天的後天的さまざまな要因で得意不得意があります。機械という分野で働くには必要性は高く、苦手という学生さんには卒業までに鍛えてもらう必要がありますが、まだ入学間もないので、ヒントを用意することにしました。

レベル1: 似ているけど寸法などがなにか違う物体の実体(あっ、こういう感じかと気付く
レベル2: 図面の寸法通りの物体(自分の作図に乗せての答え合わせまでできる)

 学生さんには、自分の認識に応じて、ペナルティなく確認してかまわない、ただし自分の頭でも「おそらくこんな形」と良く考えてから、と提供しました。
 いつものように3D-CADで図を引いて、プリント。製図の実習なので「見える線・太い実線で書くべきエッジ」はくっきり見えた方が良かろうと、油性ペンでなぞったのですが、失敗。私は塗るとかの作業が苦手で、エッジからずれたり太さがまちまちになったり。想定外だったのは、見た目にはかなり細かく滑らかにプリントされてたエッジのところで、積層の方向に細かい溝に沿ってぶちました((注:「にじんだ」にちかい宮城周辺の方言)。というわけで見栄えが良くありません。
 ならば、いっそのこと、最初から、エッジまで3Dプリンタで出せばいいのでは?とモデル化することにしました。

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