bool(true)

TPMとSCMの連携が生み出す「サステナブルサプライチェーン」#3

2025.11.26

icon X icon Line icon Facebook icon Printer
DX・デジタル一覧に戻る

グローバル企業では、最適なSCM(Supply Chain Management)の実現に、TPM(Total Productive Maintenance:全員参加の生産保全)を活用することが多くなっています。それは、設備ロスを愚直に追求するTPMが基盤強化の強い武器であるからです。本稿では、3回にわたってTPMとSCMの関連性と実際の成果事例を説明します。

 Scope3を見据えたSCM✕TPM

 これまで2回にわたりSCMとTPMについて述べてきました、SCMにとってTPMは必要不可欠な活動であることが理解できたかと思います。最終回となる今回は、喫緊の課題であるカーボンニュートラルとの関係について説明します。
 生産活動では多くのエネルギーを消費し、二酸化炭素を大量に排出するため、持続可能な社会の実現には、カーボンニュートラルへの取組みは必須です。ここで重要なのは、いかに最少のインプットで最大のアウトプットを出すというTPMの基本的な考え方です。
 たとえば、不良品を出してしまうと、不良をつくる、または再加工・手直し、廃棄などのための時間やエネルギー、コストを損失します。そのため、それらのロス退治をすること自体が省エネルギーとなり、カーボンニュートラルに直結します。そして、カーボンニュートラルは、TPM活動はScope1・2だけでなく、サプライヤーや物流業者と連携して環境KPIを共有・改善するScope3での取組みが進んでいます(図表―8)。

図表―8 カーボンニュートラルのKPI(例)

まとめ

 TPMは、SCMの安定性と柔軟性を支える中核的な役割と機能を担っています。設備の保全や生産性向上にとどまらず、品質・コスト・納期の最適化にも寄与するTPMは、サプライチェーン全体のパフォーマンスを底上げする重要な仕組みです。
 近年では、環境対応やカーボンニュートラルなど、持続可能性を意識したTPMの進化が求められており、これにより企業は社会的責任を果たしながら競争力を高めることが可能になります。TPMの原点である人材育成と現場力の強化は、単なる技術力の向上にとどまらず、組織文化の醸成や現場の自律性を促進することで、変化に強い企業体質の構築にもつながります。
 このように、TPMはSCMの基盤を支えると同時に、企業の持続可能な成長とイノベーションの推進に貢献する戦略的な取り組みです。TPMとSCMの連携は、ものづくりの未来を切り拓く力であり、グローバル競争が激化する中で、企業が生き残り、成長していくための鍵となるでしょう。

この記事は、会員専用記事です。

有料会員になると、会員限定の有料記事もお読みいただけます。

DX・デジタル一覧に戻る