
グローバル企業では、最適なSCM(Supply Chain Management)の実現に、TPM(Total Productive Maintenance:全員参加の生産保全)を活用することが多くなっています。それは、設備ロスを愚直に追求するTPMが基盤強化の強い武器であるからです。本稿では、3回にわたってTPMとSCMの関連性と実際の成果事例を説明します。
SCMを支えるTPM
前回も述べたように設備の安定稼働は、SCMの各指標に直接影響を与えます。そのため、TPM活動により設備起因のロスの低減に取り組み、「在庫(原材料・仕掛品・完成品)削減」「納期順守率の向上」「品質保全による直行率の向上」「機会損失リスクの低減」といった成果を上げる企業が増えています。日本プラントメンテナンス協会の調査によれば、TPM活動によって各指標の数値が改善したことや、P(生産性)、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)などの生産指標がSCMのKPIと連動していることが示されています(図表―4、5)。

図表―4 TPM活動による指標改善の成果

図表―5 生産指標との連動(例)
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