
近年、IoTやAI等のデジタル技術を、工場の生産活動や設備管理・保全といったさまざまな分野に活用するDXの取組みが盛んに行われています。
当会が長年提唱し、多くの企業で実践されてきたTPM(Total Productive Maintenance:全員参加の生産保全)もまた、このDXと無縁ではありません。本稿では、TPMがDXとどのように結び付き、互いに価値を高め合うのかについて解説します。
TPMにおけるロスの見える化
TPM活動のコンセプトの1つは、生産現場に潜在するさまざまなロスをゼロにすることです。ロスとしては、たとえば図表ー1のようなものがあります。

図表ー1 生産活動におけるロス構造(16大ロス)
これらのロスは、生産性の低下、品質の不安定化、コストの増大、納期遅延など、企業活動に悪影響を及ぼします。TPM活動では、ロスを見える化し、その根本原因を徹底的に追究し、改善します。
そして、このロスの見える化には、現場のデータが不可欠です。現場のデータがなければ、どのロスがどの程度発生しているのかを把握することができず、原因もわからないため、真の改善活動に着手することはできません。
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