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ものづくりの現場力を高める! 自主保全活動のコツ②

2025.08.26

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 製造業において、設備の安定稼働は生産性や品質、コスト、納期などのすべてに直結する重要な要素です。そのため、設備保全は専門部門だけではなく、オペレーター自身が主体的に取り組む「自主保全活動」が注目されています。自主保全とは、TPM(Total Productive Maintenance:全員参加生産保全)の要素・機能の1つであり、オペレーターが設備の清掃・点検・給油・調整、簡易修理といった「設備の維持活動」を担い、故障の予防や生産性向上を図る活動です。第1回目の自主保全活動を成功に導くための工夫をに続き、第2回ではステップごとの取組み例をワンポイントで説明します。

第1ステップ:「初期清掃」(清掃点検)エフ付けのポイント

 第1ステップは清掃点検ともいわれるように、清掃することで不具合(漏れ・ゆるみ・損傷)などが見えるようになり、「清掃は点検なり」体験するとともに、不具合個所を発見し、エフ付けなどで見える化する重要なステップです。

(1)目的に応じたエフの色分け
 エフとは、不具合個所に処置を忘れないために、日付や発見した人の名前、不具合の内容を記入する荷札のようなツールです(図表―1)。不具合個所にエフを取り付けることを「エフ付け」といい、「初期清掃」の重要な活動項目です。
 エフに対しては復元や修理などの対応が必要になりますが、その内容によって色分けし、役割と責任を明確にすることが多いです(図表―2)。

図表―1 エフ(白)

名称・色内容・取り付ける対象取り付けた後の対応
赤エフ保全部門などに対応を依頼する必要がある不具合専門部署に報告・依頼
白エフ自分たちのサークル(現場)で処置可能な不具合自主的に対応・修正
黄エフ危険個所(安全に関わる問題)最優先に対応・注意喚起
緑エフ省エネ対応が必要な個所改善提案・省エネ活動へ展開

図表―2 エフの色と内容

(2)点検項目の洗出し
 「初期清掃」に続く言葉として「清掃は点検なり」があります。これは以下のように清掃が設備の点検・異常発見の第一歩であるという意味を持っています。
 ① 清掃中に異常が見付かる
 清掃によって、普段は見えない部分が見えるようになり、油漏れや摩耗、緩み、ひび割れな
 どの異常を発見できる。
  設備の状態を知るきっかけになる
 汚れが溜まっている場所は、熱がこもりやすかったり、摩耗が進んでいたりする可能性があ
 る。
  オペレーターの保全意識が高まる
 自らが清掃することで、設備への愛着や責任感が生まれ、異常に気付きやすくなる。「自分
 の設備は自分で守る」というTPMの基本理念に沿った行動である。
 ④ 予防保全の第一歩
 異常を早期に発見することで、故障やトラブルを未然に防ぐことができる。故障してから修
 理する「事後保全」ではなく、壊れる前に手を打つ「予防保全」へとつながる。

 第1ステップでは、第3ステップで取り組む「自主保全仮基準の作成」を見据えて、点検項目をあらかじめリスト化・作成を開始する取組みが見られます。これにより、アウトプットを見据えながら途中の次の第2ステップの活動内容も反映し、精度の高い仮基準書を目指せるメリットがあります。一方、仮基準書の帳票や用語、運用などを早期に検討する必要があるため、十分な準備が必要です。

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