

RMFJ株式会社
久藤 樹
出光興産株式会社にて潤滑管理業務に従事後、現在はRMFジャパン株式会社テクニカルコンサルタントとしてセミナーやコンサルタントを実施している。
資格:技術士(総合技術監理部門、機械部門)
機械状態監視技術者(振動カテゴリーⅢ・トライボロジーⅢ)
著書:「基礎から学ぶ潤滑管理」(潤滑通信社)
「一から学ぶ工業潤滑剤」(日刊工業新聞社)
【質問です】
圧延機の歯車装置に耐摩耗性作動油を使用しました。どんな問題が発生しますか?
歯車の潤滑
(1)歯車の潤滑の特異性
歯車は、機械を構成するネジと共に、なくてはならない重要な機械要素です。歯車は下記のような潤滑上の特異点があり、潤滑上困難な一面があります。
①接触圧力が高い。
②接触荷重が変化する。
③接触が不連続である。
④すべりと転がりが混在し、且つすべりの大きさや方向が変化する。
(2)歯車の潤滑領域
歯車の潤滑の目的は、歯面の損傷を防ぎ歯車を効率よく運転させることです。最近、機械が高速・高馬力化してきため、歯車には小型で高速・高負荷に耐えることが求められ、使用条件に応じた適切な潤滑法・潤滑剤の選定が重要になりました。
歯車の潤滑は、潤滑領域としては「連載1回目の図5」に示す通り、軽負荷条件では、弾性流体潤滑領域です。高負荷条件では、薄い吸着分子膜のみで荷重を支える潤滑状態(境界潤滑領域)であり、負荷条件によっては金属同士が直接接触します。
この記事は、会員専用記事です。
有料会員になると、会員限定の有料記事もお読みいただけます。