
執筆者
日鉄テックスエンジ 株式会社
松坂 一志、岡林 清志、工藤 也寸志、相馬 祐介、増田 匡一
論文要旨
電動機補修は、蓄積した多分野からなるデータを要素毎に解析して得た劣化の傾向やメカニズム等をユーザと共有し、操業実態や設備管理面で意見交換できる保全技術者としての役割を担った共存を目指すタイミングにあると考える。
本論文ではメーカのシーズ技術が補修分野で、どの範囲まで適用でき、どの様な効果が期待できるかを劣化の4要因といわれる熱、電気、機械(振動)それと環境で独自のエビデンスを求めた追跡調査とユーザが抱える疑問の事象解明に取り組んだ2点の技術展開 についてサステナブル補修技術の視点から論じた内容としている。
電動機保全へのサステナビリティの意識
動力を伝達する回転機は、制御系の高性能化や保守の優位性から直流機を交流機へシフトする傾向にあり、メーカの設計や補修部門の規模縮小&撤退が進み、我々補修業界への期待は高まっている。一方、補修業界はメーカ技術の適用から対応力を高めて来ているが、高度成長期を経験した熟練技術者の離脱等から厳しい環境に直面し、いかに技術・技能の伝承を図り短工期で高品質の補修を提供するかが課題としてある。
本論文 では 「現場に強い技術者」の人材育成には、技術の単なる適用ではなく独自のエビデンスを掴むことが重要との認識から品質を左右する絶縁処理技術に関して単独の実験検証や長期間蓄積したデータの分析、さらには慣用化した用語でユーザが持ち続けた疑問に技術的背景を追及したサステナブル技術活動について紹介する。
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