
執筆者
ヤマハ発動機株式会社
生産技術本部設備技術部鋳造設備グループPTアルミ技術部第3製技GLP鋳造係
宇田川幸輝、パンドヨバユプトラ
論文要旨
磐田南工場の LP 鋳造金型の新予熱工法の可能性検証と調査をした。
メトロ電気工業製の中赤外線加熱器を使用し、磐田南工場の LP 鋳造金型の鋳造目標温度に到達するまでの予熱時間と金型表面温度の測定を行った。
予熱器仕様は一般二輪車エンジンHC用金型と特大金型に対してそれぞれ専用の仕様で実験を行った。
予熱時間の目標である 2 時間に対して、一般二輪車エンジンHC金型、特大金型の両方で目標達成することができた。
金型表面温度は金型材料 SKD61 材のA1 変態点である 727℃以下で予熱できることがわかった。
以上の結果を以って金型予熱の電化が可能となり、LP鋳造金型の予熱工程においてカーボンニュートラルを達成することができた。
はじめに
LP鋳造工程において鋳造金型の予熱工程がある。この工程ではガスバーナーを使用して金型予熱を実施している。ガス火炎による予熱は短時間での高温昇温が可能な反面、過昇温により金型が変形することで寸法不良品が発生するリスク、CO2排出による環境影響などの慢性問題があり、工場経営に悪影響を与える一因となっている。
本活動は”金型予熱器改革”による”金型変形の抑制および突発大量発生の製品寸法不良ゼロ”の達成を目標とし、併せてLP鋳造工場の環境課題の1つであるカーボンニュートラルへの貢献も図る。
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