

RMFJ株式会社
久藤 樹
出光興産株式会社にて潤滑管理業務に従事後、現在はRMFジャパン株式会社テクニカルコンサルタントとしてセミナーやコンサルタントを実施している。
資格:技術士(総合技術監理部門、機械部門)
機械状態監視技術者(振動カテゴリーⅢ・トライボロジーⅢ)
著書:「基礎から学ぶ潤滑管理」(潤滑通信社)
「一から学ぶ工業潤滑剤」(日刊工業新聞社)
【質問です】
鉱物系の非Zn系耐摩耗性作動油を分析したところ酸価値と金属分析では新油の値と変わりませんでした。ミリポア値は、9.8mg/100mℓでした。ミリポア試験後のフィルタを観察すると色は茶褐色で、細かい塵埃が観察されました。この作動油をろ過機で、ろ過して継続使用しました。継続使用に問題ないでしょうか?
油圧作動油の種類
油圧機器の故障の70%は、作動油の選定誤りと管理不備によるものと言われています。油圧装置の故障を防ぐためには、作動油の選定と適切な管理を実施することが重要になります。
油圧作動油を分類すると図1に示すように、鉱油系作動油と難燃性作動油に分けられます。難燃性作動油は更に含水系作動油と合成系作動油に分けられます。油圧機器の種類、使用条件、環境等から適切な作動油を選定します。現状では、鉱油系作動油が主に使用されています。鉱油系の中でもR&Oタイプが主体でしたが、油圧機器の高圧化・高性能化に伴いAWタイプ(耐摩耗性作動油)が主流となりました。また、最近では省エネルギーの要求から高粘度指数作動油の使用が増加しています。

図1 作動油の分類
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