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第156回「切れたヒューズ と 尊い犠牲」

2026.03.11

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スカイツリーで融けたヒューズ

 最近、SNSで「ヒューズ」が話題になっていました。ニュース報道で「スカイツリーのエレベータの突然停止の原因は『ヒューズが熱で切断』」という感じの表題が出たことが原因です。私も反応した口なのですが、このタイトルを見て、ヒューズの置き場所がなにか良くない設計で、周囲の部品の発熱などで加熱して、本来は切れないはずの低めの電流で切れた、かと思いました。
 それは珍しい、と早速ニュースの内容を見たら、「エレベータ本体と制御盤をつなぐケーブルがローラーに巻き込まれて損傷、ショートしてヒューズが切れた」とあります。いや、それなら原因は「ヒューズが熱で切断」ではなく、「ケーブル損傷して」でしょう、と。ヒューズは正しく仕事をしてお亡くなりになりました。主に批判的な意味でいくつも見解が流れていました。
 さらに、ヒューズが何かを知らない記者さんが、運営会社のリリースの大事なところを理解せずに妙な記事にしたのかと思ったら、そもそものリリースもその体でした。あれ?もしかして、ヒューズを知らない方が多い?という別の疑問が沸きましたが、読者の皆さんはヒューズをご存じでしょうか。身の回りの方ででもアンケートをどうぞ:
  ・ヒューズを知らない
  ・ヒューズという名前は知っている
  ・ヒューズの現物を知っている
  ・ヒューズの役割を知っている
  ・管ヒューズの交換をしたことがある
  ・糸ヒューズの交換をしたことがある
そういえば、最近、交換できるヒューズをあまり見かけないですし、交換もしていない気がします、テスターを除いては。
 ヒューズは「過電流で切れる(溶断する)部品」で、しばしば電気回路の「最終保護」的位置付けで使われます。正常動作・適正使用の範囲や、各種保護回路などの機能で制限されるはずの範囲を越える電流が電源などに流れたときに作動して、回路を切り離すことでそれ以上の被害を防ぎます。自動車の電源ラインはショートするとすぐに炎上の危険すらあるので、電源分配部にヒューズが並べてあります。
 同じく過電流で切れるブレーカーは、復帰できること、意図的に切るというスイッチ用途もあることが異なりますが、物が大きく、コストがかさみます。また、発熱で急激に抵抗値が増える性質の物質を使った、しばらくすると元に戻るリセッタブルヒューズもあります。
 昔は機器にヒューズを装填するヒューズホルダ(回すとヒューズが着脱できるなど)が付いているイメージがありましたが、そういえば最近は見ない気がします。ただ、(うっかり壊して見えてしまった)ACアダプタの中や産業用の電源ユニットでは基板に直接半田付けされていることがありますので、消えているわけではなさそうです(おそらく小型化やコストダウンで交換できる仕組みを省略、保護回路的に通常は切れない自信があるのでしょう)。また、100Vを使う電子工作では電源線に最初にいれる部品はヒューズホルダでしたが、そういえば最近そういう工作事例を見なくなりました。

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