

現場にある困りごとや課題を、そこで働く人たちが見つけ出し、重力などの自然エネルギーや、歯車やてこの原理などの簡単な機構・仕組みを用いて、環境負荷を少なくローコストに改善するもの。これが「からくり改善」です。
本記事では、さまざまな事例をもとに「からくり改善」の今後の可能性について考えていきます。
「からくり改善」の特徴
「からくり改善」とは、作業の効率化や重筋作業などの現場の困りごとを解決するために、シンプルな機構や仕組みを利用して「お金をかけず」「知恵とくふう」で問題を解決する手法です(図表―1)。
1994 年に日本プラントメンテナンス協会が提唱し、生産現場で作業の効率化や省エネルギーのための改善手法として広まりました。名称の由来は「からくり人形」のような機構や動作をアイデアとしていることです。からくり改善は、重力などの自然エネルギーなどを動力し、「テコ」や「カム」などの機構を用いて動作に変えることで、重筋作業や搬送など、現場の問題を解決します。

図表―1 からくり改善の特徴
【からくり改善事例】*別ウインドウが開きます
「全集中!ワッシャーの呼吸」
手で取りにくいワッシャーの補給作業を楽に簡単に行えるようにした事例。
「ポンプからくり自働搬入装置」
溶接後のワークを作業者が手作業で振り分けていた作業を自働化した事例。
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