

はじめに
前回は、四節回転連鎖がてこクランク機構として動作する条件を導出しました。導出した条件は不等式で表されていて、機構学の教科書では「グラスホフの条件(The Grashof condition)」として紹介されているものです。導出の考え方は単純で、リンク機構が動作する過程で生じる特徴的な場面での三角形に着目し、これらの三角形が成り立つために必要となる3辺の長さの関係を不等式で表し整理するだけです。
一方で、大学の機構学の講義ではグラスホフの条件を紹介することは多いと思うのですが、導出の過程まで丁寧に扱うことは時間的な制約から難しいのが実情ではないかと思います。その意味でも、前回のように導出過程をじっくりと考察できたことは、私自身にとっても非常に新鮮な体験でした。
さて、今回の後編①では、前回導出したグラスホフの条件に具体的な数値を代入して、知識の確認を行うための基礎的な計算を行ってみたいと思います。
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