
目次

現場の「困った」から生まれたDXデバイス
製造業におけるデジタル変革(DX)は、年々その必要性が高まっています。特に人材不足や熟練技術の継承といった課題を抱える中小規模の工場では、「DXの推進はしたいが、どこから始めればよいのか分からない」「専門知識を持つ人材がいない」といった声が多く聞かれます。
そうした現場の声から生まれたのが、マルチデータロガー「ParaRecolectar(パラレコレクター)」です。本製品は、現場担当者が自らセンサーを設置でき、必要なデータを自分たちの手で収集・活用できることを重視して開発された、現場に寄り添うDXツールです。
そのコンセプトは、「簡単ローコストでDXをスモールスタート」です。小さく始めて、センサーを後付け増設、持ち歩いて必要な場所で気軽にデータ収集、そうした柔軟性と即応性を持つ仕組みこそが、ParaRecolectarの最大の特長です。
現場が「主役」になれるDX
ParaRecolectarの開発は、自社工場の現場改善活動の延長線上にありました。もともとは、設備の異常兆候を事前に検知するためのセンサーを使った改善活動から始まりましたが、そこで浮かび上がったのが「データを取るまでのハードルが高い」という現場の声でした。
専門業者への依頼や設備の改造、煩雑な設定などが必要な従来の仕組みでは、現場の担当者が自分たちで簡単に扱えるとは言えません。ParaRecolectarはその常識を覆しました。既存設備に手を加える必要なく、設置したセンサーとParaRecolectar本体をLANケーブルで接続、その場で簡単に設定・操作が可能です。
これにより、「とりあえずデータを取ってみる」といった“試す文化”が根付きやすくなり、現場主導でのデータ収集・活用が自然と広がっていきました。
多様な現場課題を“見える化”で解決
ParaRecolectarが活用されている現場では、以下のような実績が報告されています。
•搬送モーターの振動を監視し、異常兆候の早期発見に活用
•エアー流量や電力量を見える化し、省エネ活動の指標に
•空調設備の温度管理を遠隔でモニタリング
•作業環境の温湿度と製品品質の相関を把握するためのデータ取得
特筆すべきは、いずれの活用事例も、AIやビッグデータといった高度な仕組みを導入する前段階であるという点です。まずは「見えないものを見えるようにする」ことで、管理の精度を上げ、現場の改善活動を次のステップに進めていく。その土台作りにParaRecolectarは大きく貢献しています。
「スモールスタート」で始められる“柔軟性”
ParaRecolectarは、最初から大がかりなシステム導入を必要としません。1台から買い切りで導入が可能で、月額使用料も不要、インターネットも不要です。必要に応じてセンサーやユニットを追加していく方式で、自社のペースで拡張してご利用いただけます。
追加オプション例、電源が確保できない場所でもデータ取得を可能にするモバイルバッテリー対応、複数センサーの情報を一覧で表示する統合パネル表示など、運用現場のニーズに応じたオプシ ョンが多数用意されています。
この「とにかく試してみる」「ダメならすぐに元に戻せる」といった柔軟性が、現場にとって最大の安心感となり、導入のハードルを大幅に下げています。
導入実績が語る“現場での信頼性”
ParaRecolectarは2020年のリリース以来、多くの物づくり企業様で導入いただいています。その多くが、実際の改善活動やTPM(Total Productive Maintenance)活動の一環として活用されており、現場での有用性が実証されています。
また、「導入して終わり」ではなく、カスタマイズしてご使用いただく例や、ユーザーの声をフィードバックとして開発に反映していく姿勢も高く評価頂いています。現場の要望をもとに、取り扱いのしやすさや機能面の改良が随時行われており、「進化するツール」として成長を続けています。
DXは“失敗できる”ことが大切
ParaRecolectarの開発コンセプトには、「失敗を恐れずチャレンジできる環境を現場に提供したい」という強い想いがあります。
DX推進において、多くの企業が感じるのは「失敗できないプレッシャー」です。大規模投資の前提では、結果が出なければ失敗とみなされがちですが、ParaRecolectarは違います。
少ない予算で小さく始められる、そして成果が出ればスケールアップできる。期待した結果が出なくともセンサーを交換することで、他工程での利用ができるなど、安心して始められるスモールスタートコンセプトこそが、現場を動かす原動力となっています。
ParaRecolectarがもたらす“現場の変化”
導入後、現場では以下のような変化が見られます。
•担当者が自らセンサーを設置し、データを取る文化が根付く
•数値に基づいた議論が活性化し、改善活動が実質的に進む
•デジタルツールに対する苦手意識が薄れ、次のステップに挑戦しやすくなる
これらの変化は、単にツールを導入するだけでは得られません。現場の主体性を尊重し、彼ら自身が“使える”と感じられる仕組みがあってこそ、DXの本当の意味が浸透していくのです。
今後の展望:さらなる拡張性と高度化へ
最近では「とる」「みる」「ためる」のParaRecolectarの機能にプラスして「だす」機能を付加できるユニットが発売されました。センサーアナログ入力値や稼働信号を監視して、判定。デジタル出力で制御が可能になりました。自動制御による省エネ活動や、異常検知後の対応を自動化した省人化などの取組みに利用いただけます。
AI解析ツールなどの企業様との連携で、収集したデータを解析、取り組みに有効に活用いただける仕組みも広がっています。
中小企業のDXの第一歩に最適な選択肢
DXという言葉が浸透する一方で、何から始めればいいのか分からず足踏みしている企業は少なくありません。そうした企業にとって、ParaRecolectarは「現場で試せる」「自分たちで扱える」デジタル活用の最初の一歩となります。
難しいことを簡単に、見えないものを見えるように、そして、現場が主役になれる環境を整える——。ParaRecolectarは、現場とともに成長する“伴走型”のDXツールとして、これからの製造業の在り方に一石を投じています。
【本体仕様】
■外形寸法:幅105mm×高さ45mm×奥行119mm ■重量:400g
■センサ接続ポート:4ポート/8ポート(本体・センサ間の通信はLANケーブル)
■本体PC接続:有線イーサネットもしくは無線LAN 対応
■USB2.0 4ポート(データUSB出力用、無線アンテナ取付用etc)
■電源コネクタ(AC100V~240V入力) ■アース端子(ノイズ対策)
【センサーラインナップ】
■6軸モーションセンサ(X/Y/Z軸 加速度/角加速度) ■3軸加速度センサ(FFT)
■接触式温度センサ ■非接触式温度センサ ■環境センサ(温度/湿度/気圧)
■AC電流センサ ■DC電流センサ ■アナログ入力 ■パルス入力 ■入出力ユニット
【データ収集】
■連続収集・間欠収集・トリガー収集モード
■データ収集間隔(サンプリングレート) 0.1秒~99時間で任意に設定可能
■データ出力形式 CSV形式
【お問い合わせ】
株式会社名張ホールディングス 事業開発部
〒474-0057 愛知県大府市共和町壱ツ田25-1
TEL 0562-57-1401
FAX 0562-57-1410
https://www.nabari-hld.co.jp
パラレコレクターの詳細はこちら ↓
https://www.nabari-hld.co.jp/product/pararecolectar/

新着記事

食品工場の進化した自主保全 〜食品安全7ステップ〜②
2025.08.28 無料会員

ものづくりの現場力を高める! 自主保全活動のコツ②
2025.08.26 無料会員

指標でモノづくりを評価しよう! #5 労働生産性
2025.08.19 無料会員

ものづくり屋視点による労働衛生の実践 No.5 安全衛生のリスクアセスメントを再考する その2:共通プラットフォームを活かし有効なマネジメントに
2025.08.18

せつびさんとカンリさんの「モノづくり品質の基本のキ」#5 良い仕事をするための基本~その3 QC7つ道具①
2025.08.18

ものづくりの現場力を高める! 自主保全活動のコツ①
2025.07.30 無料会員