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装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.22

2026.02.18

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ボイラ設備、休止時の防食対策おこたるべからず

 化学プラント等の産業用ボイラや排熱ボイラは、プラントの使用電力量や使用スチームの必要量に応じて、長期にわたり休止が必要となる場合がある。ボイラ休止の期間やボイラ構造に応じて、休止保管の状態を適切に実施・管理(1)することが、この間の腐食発生、すなわちボイラの信頼性確保に大きく影響する。
 休止時の管理の考え方と保管方法例を図に示す。この図に示す様に、一般にボイラには「水側」、「火炎側」および「外面側」の3種類の環境がある。それらの環境毎に休止中の防食対策を実施する必要がある。
 水側に関しては、気密性が確保できる場合が多いので「乾燥」保管が望ましい。水側の乾燥は、乾燥空気を内部に充填、必要に応じて継続補給し、気密保持する。しかし、ボイラ構造によっては水が完全に排除できない場合は、脱酸素剤や窒素シールにより脱気(溶存酸素を除いた)状態で満水保管することが選択肢となる。
 火炎側に関しては、吸湿や酸露点を防ぐため燃焼灰等を可能な範囲で除去し、仕切り板を挿入するなどにより気密性確保を行い、乾燥空気で満たす保管が挙げられる。完全な灰の除去ができない場合でも、乾燥保管することは防食に対して良い方向である。
 外面側に関して、ボイラが屋内に設置されている場合には問題とならない。しかし、ボイラが屋外に設置されている場合は、保温材下腐食(CUI)の発生防止策を行う必要がある。休止期間が短い場合は、保温外装板の点検や補修により外部からの保温材内部へ水分の浸入を防止することがCUI抑制策となる。しかし、休止期間が例えば1年を超えるような場合には、保温材を撤去し、CUI発生を抑制することも選択肢となる。
 ここではボイラの休止保管を例に紹介したが、各種プラントを休止する場合も同様にプロセス条件に応じた内部環境、外部環境の休止保管方法(1)を検討し、適切な防食対策を実施することが、プラントの休止中の腐食損傷を防止するために重要である。

図 休止ボイラの保管方法の考え方

参考資料
(1) Ronald J. Twigg, “Guidelines for the Mothballing of Process Plants”, MTI Publication No. 34, MTI (2002)

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