
前回(第10回)の通り、“メンタルヘルスの現状”を背景の認識として、国からは「労働者*の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針、平成18年3月 策定、平成27年11月30日改正」が示されている。本連載第6回の「全国労働衛生週間を再考する」で触れたように、近代安全衛生の施策および活動の進化を反映した第14次労働災害防止計画の主題の1つでもある。
旧態(危険有害要素に対する規制対応)は早々に卒業し、多様な形態で働く1人ひとりが潜在能力を十分に発揮できる社会やSDGsを視野に入れたものと受け止めたい。
*本連載を通じて「労働者」とは、労働基準法第9条の定義によるものと理解いただきたい
メンタルヘルスケアの具体的な進め方の全体構成
図表-1に全体構成を示すが、これ自体がマネジメントシステムの1つの「小宇宙」を形成する。労使による衛生委員会等(安全衛生委員会によって兼ねる場合が多いと思われる)で、専門家の意見も聴き入れ、十分な合意形成を行って、「心の健康づくり計画」を作成する。計画には、以下の①~⑦の事項を盛り込むことが指針に記載されている。
① 事業者トップがメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明
② 事業場における心の健康づくり体制の整備
③ 事業場における問題点の把握およびメンタルヘルスケアの実施(=内容、の目標、方策
等)
④ メンタルヘルスケアを行うために必要な人材の確保及び事業場外資源の活用
⑤ 労働者(本連載を通して労働基準法第9条の定義による)の健康情報の保護
⑥ 心の健康づくり計画の実施状況の評価及び計画の見直し
⑦ その他労働者の心の健康づくりに必要な措置

図表-1 メンタルヘルスケアの具体的進め方の全体構成
準備を整えた後には、4つのケア(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフによるケア、事業場外資源によるケア)を、全対象者・関係者について、次の4ステップで進める。
(1) 教育研修・情報提供(管理監督者を含むすべての労働者が対応)
(2) 職場環境等の把握と改善(メンタルヘルス不調の未然防止)
(3) メンタルヘルス不調への気付きと対応(早期発見と適切な対応)
(4) 職場復帰における支援
個人的には、8本柱⇒4本柱を、全員参加、自主保全ステップ展開、個別改善の8の字展開で進めるTPMのイメージに重なって見えてしまう。なお、“Cから始まるPDCA=CAP-Do”という括りは、筆者の追記である。
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