
雨天、浸透探傷試験による割れ検査するべからず
浸透探傷試験(通称カラーチェック)1)は、割れなどの線状欠陥の検査方法としては、一般的で比較的簡便な試験法として、多く用いられている。
しかし、浸透探傷試験もその欠陥検出精度を高く保つためには、実施するにあたって幾つかの注意点がある。その1つが、雨天など高湿度の条件での注意点である。図に模式的に示す様に、高湿度の環境では、割れ等の欠陥の中に水分が浸入もしくは結露し、これにより浸透液(赤色が多い)が欠陥内部に浸透しにくく、現像段階(白色)で欠陥として検出されない可能性が高くなる。
この現象は、有資格の検査員などでは良く知られている。しかし、製作された機器の立会検査や、定期開放検査中での検査など、天候にかかわらず日時が限定された中で検査を行わざる得ない場合に、欠陥の見落としの危険性がある。実際の、それが原因と考えられる事例も発生している。
欠陥内部の水分への対策としては、温風ドライヤーなどで、金属表面を乾燥した状態にしてから浸透探傷を行うことなどが考えられる。
なお、浸透探傷試験では、以上の割れ内部の水分以外に検査表面の前処理により表面を平坦で清浄な状態にして浸透探傷を実施することも、欠陥の検出感度を高めるために注意する必要がある。

図 浸透探傷試験時の水分影響の断面模式図
参考資料
(1)JIS Z 2343 非破壊試験−浸透探傷試験−
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