

RMFジャパン株式会社
久藤 樹
出光興産株式会社にて潤滑管理業務に従事後、現在はRMFジャパン株式会社テクニカルコンサルタントとしてセミナーやコンサルタントを実施している。
資格:技術士(総合技術監理部門、機械部門)
機械状態監視技術者(振動カテゴリーⅢ・トライボロジーⅢ)
著書:「基礎から学ぶ潤滑管理」(潤滑通信社)
「一から学ぶ工業潤滑剤」(日刊工業新聞社)
【質問です】
工作機械の油圧装置にタービン油を間違って入れました。交換しないとダメなのでしょうか?
潤滑油メーカーの営業マンは、この質問に何と答えるでしょうか?
機械メーカーや専門家は、「蒸気タービンの軸受と油圧装置とでは潤滑油に対する要求特性が異なるのでダメです。」と応えるかもしれませんネ。
タービン油と油圧作動油とは、何が違うのでしょうか?このような場合は、潤滑油の組成から判断します。
潤滑油剤の種類
潤滑剤は、その外観から分類すると表1に示すように次の3種類に分類されます。
①液体潤滑剤(Liquid Lubricants):潤滑油
②半固体潤滑剤(Greases):グリース
③固体潤滑剤(Solid Lubricants):二硫化モリブデン、黒鉛
表1 潤滑剤の組成および用途例

液体潤滑剤は、さらにその組成により次の5種類に大別されます。
①鉱油系潤滑油(Mineral Type Lubricants)通常、“鉱油(Mineral oil)”と呼んでいます。
②合成潤滑油(Synthetic Lubricants)
③脂肪性潤滑油(Fatty Type Lubricants)
④混成潤滑油(Compound Type Lubricants)
⑤その他(水系潤滑剤)
また、使用する用途から分類すると図1のように自動車用潤滑剤、船舶用潤滑剤と工業用潤滑剤、プロセスオイル他に分類されます。この図1のように潤滑剤は、あらゆる用途に使用されています。

図1 使用する用途から分類した潤滑剤の種類
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