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人材の定着率と採用について 効果的な施策が明らかに ~2024年度メンテナンス実態調査より(2/3)
2025.12.24 無料会員
日本プラントメンテナンス協会が実施した「2024年度メンテナンス実態調査」では、設備管理・保全の現場が直面する課題についても詳細に分析した。今回は報告書から、人材の定着率と採用、施策の効果を紹介する。
DXの活用がカギ! 生まれの良い設備づくり ①
2025.12.24
設備の運転や保全データは、次期設備更新の際の設計情報として重要です。TPM(Total Prpductive Maintenance:全員参加の生産保全)では、この情報をMP情報、MP情報を生かした設計をMP設計として1990年代に定義しました。しかしながら、当時はデータ活用やナレッジなど、様々な問題があり、MP設計の実現は難しいものでした。ところが、近年ではDXにより「生まれの良い設備づくり」事例が増加しています。本稿では、設備のライフサイクルにおける情報の流れと設計への適用、注意点などを事例を交えて2回にわたって解説します。
指標でモノづくりを評価しよう! #9 生産リードタイム
2025.12.24 無料会員
製造現場において、生産リードタイムは顧客満足度や納期遵守に直結する重要な指標です。生産リードタイムが長いと、在庫の増加や納期遅延、コスト増加などの問題が発生します。さらに、在庫が増えることでキャッシュフローが悪化するという経営上のリスクも生じます。今回は、生産リードタイムの定義、長期化の原因、改善事例、そしてKPIとしての活用方法について説明します。 生産リードタイムとは、製品の製造開始から完成までにかかる時間のことです。一般的には、原材料の投入から最終製品の出荷までの時間を指します。この時間が短いほど、柔軟な生産対応が可能となり、顧客の要求に迅速に応えることができます。
TPMとDX:価値を高め合う、相互補完関係(1/2)
2025.12.24 無料会員
近年、IoTやAI等のデジタル技術を、工場の生産活動や設備管理・保全といったさまざまな分野に活用するDXの取組みが盛んに行われています。 当会が長年提唱し、多くの企業で実践されてきたTPM(Total Productive Maintenance:全員参加の生産保全)もまた、このDXと無縁ではありません。本稿では、TPMがDXとどのように結び付き、互いに価値を高め合うのかについて解説します。
せつびさんとカンリさんの「モノづくり品質の基本のキ」#9 良い仕事をするための基本~その7 QC7つ道具⑤
2025.12.17
せつびさん(以下せ):カンリさん、アタラシさん、こんにちわ。前回は、私たちが良い仕事をするための基本の1つであるQC7つ道具の中の「散布図」ついて学びました。
ものづくり屋視点による労働衛生の実践 No.9 旧い問題だが、終わってはいない石綿含有材の取扱い
2025.12.17
連載もゴールを見通すべきところであるのに、唐突感を覚える標題かもしれない。関係者には準備済のこととは思うが、2026年明けより、工作物(保全対象の諸設備が含まれる)の解体や改修工事に着手する際に、資格者による石綿含有事前調査の義務が発効する。冬期連休工事等の「指差し確認」の意味も兼ねて、特別に触れることにした。
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.18
2025.12.17
7月に発生した化学プラントの漏洩事故について、当該企業から事故報告書の概要が9月にWebにて公開1)された。ステンレス鋼管の2重管熱交を考える際に参考となることが多いため、今回はその事故報告書の概要をモデルとして、損傷発生原因と防止対策を考えてみたい。漏洩発生の初期原因に関して概要に示されている図に加筆して以下の図に示す。 漏洩事故の起点は「ステンレス鋼管の2重管式熱交換部分にて、工業用水側から付着物堆積部(報告書では「汚れ」とされている)で応力腐食割れが発生し、板厚を貫通し、冷却水がプロセス流体に流入した」とされている。 概要報告書では、管内のプロセス流体の温度、ステンレス鋼の鋼種、および工業用水の水質は明記されていないが、プロセス温度が50℃程度以上で、SUS304等の汎用ステンレス鋼管が採用されていたと仮定すると、塩化物イオンを含有する冷却水より付着物(スケールやスラッジの混合物が想定される)が発生し、それとステンレス鋼のすき間部で、すき間腐食が発生し、これを起点とした応力腐食割れが発生したと考えられる。 これは、配管の2重管式熱交換部分の冷却水側では、冷却水の流速を均一に保つことが困難なため付着物が生じ易く、またその付着物の洗浄等による除去が容易ではないことが想定される。また、プロセス側温度が50℃以上では、ステンレス鋼製多管式熱交換器でシェル側に冷却水を流した場合の応力腐食割れ発生に関するデータ等2)からすき間部で冷却水中の塩化物イオンが濃縮し、ステンレス鋼にすき間腐食が発生し、その環境の過酷化した部分を起点とした応力腐食割れが発生したと考えられる。 なお、上記の仮説が正しくなく、ステンレス鋼がSUS304などの汎用ステンレス鋼でなく、かつプロセス側の温度が50℃以下の場合は、付着物下でも以上の過程に従った応力腐食割れ発生の可能性は低いと推定される。 しかし、上記の仮説通りであれば、冷却水側から応力腐食割れの発生に至る可能性があることを前提に、設計や検査管理を行う必要がある。 設計段階では、ステンレス鋼として応力腐食割れの発生しにくい2相ステンレス鋼を配管材料として採用するとか、定期的な冷却水側の洗浄や検査の行い易い様に外筒の一部を開放できる構造にしておくことが考えられる。また、可能であれば、閉ループでの循環利用を前提に冷却水を純水に変更することも応力腐食割れ発生を抑制するために有効である。 検査としては、定期的に2重管の外筒を開放してステンレス鋼表面を観察し、付着物の発生状況、すき間腐食および応力腐食割れの発生有無を監視する必要がある。 特に今回の漏洩事例の様に、ステンレス鋼管部分での冷却水のプロセス側への漏れ込みが、プロセス流体の腐食性を著しく過酷にし、プロセス側からの腐食により危険物質の漏洩に至る可能性が高い系では、以上示した材料損傷発生について細心の注意を払って、設計や運転、検査管理を行うことが特に重要である。
2015年度外注技能工の単価調査
2025.12.12
本調査は、主として装置型産業の設備ユーザーを対象に、メンテナンスサービス・工事に関する「外注技能工への支払い単価」を地域別、職能別、および経年的に把握することを目的に、1989年以降、当会にて実施しているものです。景気の変動によって大きく振れる外注技能工の単価を知ることによって、設備ユーザーに合理的な予算組みやメンテナンス工事計画の参考にしていただこうというものです。
第9回 力の釣り合いと重心
2025.12.10
国立大学法人 九州工業大学支援研究員・客員教授堀田 源治
第153回「隣の青い芝 と 増える技術的手段」
2025.12.10
ここ1ヶ月の間に、ふと「隣の芝が青かったので芝刈りを手伝いに行った」という迷言を口走りました。個人的に気に入ったので、今後の定番ネタにしようかと思っています。 私の特性として、技術・工作は好きな一方で、なにか面白い原案を思いつくことは苦手、という自己評価をしています。我が研究室は玉乗りロボットをはじめ、多彩なロボットメカトロ(ときにはメカニズムや計測処理手法)をつくっていますが、私がネタ元なものはあまりありません。玉乗りも、学生さんが「玉に載ってバランスをするロボットをつくりたい」と謎な希望をもったことが起点です。こうすれば実現できるという技術課題は解決しましたが、それでもなお、学生さんの思いつきがなければ、あれは(少なくともうちでは)誕生していません。例年の卒業研究のテーマも、基本的には学生さんの希望を聞いて、それをどう実現可能な技術にもちこむか、卒業研究としてふさわしい規模にするかという調整をしています。 それゆえ、私が「隣の芝が青く見える」程度はかなり強いのではないかと思います。自分がやっていることよりも、他の方がやっていること・やろうとしていることが面白そうに見え、「自分ならこう実現する」みたいな考えで盛り上がります。もちろん、あくまでその方のアイデアなので、普段は心の内でとめるのですが、すでに既発表のものであれば実際に試みることはあります(学生さんが既知のテーマを希望することも、新規性が無いなど言わずに、むしろ積極的にOKする場合がある)。ましてや、そこに協力要請があれば、面白がってほいほい手伝いにいきます。 普段持っている仕事に上乗せするので、いろいろと厳しくなるのですが、明確な利点もあります。まず第一には面白そうと思って取り組めることですが、「あれこれ考えて工夫する面白さが見える」ことが前提で、何もしなくても解決、あるいは、私でなくとも誰でも解決できそうなことではありません。技術系は工夫を考えることで引き出しが増え、その後のヒントの可能性も増えます。 第二に、しばしば「自分だと生じない課題」が出てくることです。様々な仕様的制約下で開発されている方にとっては日常茶飯事かもしれませんが、方針も含めて裁量の幅が広い自分の仕事の場合は、最初から実現性の高い方法の選択とそれを組み合わせる方針を選びます(たとえば加工法を意識した形状)。分野が異なるとそのような配慮抜きの要望がなされますが、この無茶に対して真剣に向き合うことは、自身の幅を拡げることに繋がります。