技術・技能
注目記事
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.20
2026.01.21
浸透探傷試験(通称カラーチェック)1)は、割れなどの線状欠陥の検査方法としては、一般的で比較的簡便な試験法として、多く用いられている。 しかし、浸透探傷試験もその欠陥検出精度を高く保つためには、実施するにあたって幾つかの注意点がある。その1つが、雨天など高湿度の条件での注意点である。図に模式的に示す様に、高湿度の環境では、割れ等の欠陥の中に水分が浸入もしくは結露し、これにより浸透液(赤色が多い)が欠陥内部に浸透しにくく、現像段階(白色)で欠陥として検出されない可能性が高くなる。 この現象は、有資格の検査員などでは良く知られている。しかし、製作された機器の立会検査や、定期開放検査中での検査など、天候にかかわらず日時が限定された中で検査を行わざる得ない場合に、欠陥の見落としの危険性がある。実際の、それが原因と考えられる事例も発生している。 欠陥内部の水分への対策としては、温風ドライヤーなどで、金属表面を乾燥した状態にしてから浸透探傷を行うことなどが考えられる。 なお、浸透探傷試験では、以上の割れ内部の水分以外に検査表面の前処理により表面を平坦で清浄な状態にして浸透探傷を実施することも、欠陥の検出感度を高めるために注意する必要がある。
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.21
2026.02.04
化学プラント等では、温度の異なる流体を配管で合流させる構造で設計、設置される場合がある。合流させる流体が材料に対して腐食性が無い場合でも、流体の温度差と流量の変動により、合流部材料に損傷が発生する場合がある。 図(1)に例を模式的に示す様に、配管の一方に高温(600℃)のガスを流している配管に低温(100℃)のガスを合流させる場合、その合流部のコーナ部や近傍の管内面に「熱疲労」と呼ばれる割れが発生することがある。特に、低温流体の流量に変動がある場合に、この割れは発生し易くなる。 何故、割れが発生するかと言うと、高温で配管全体として熱膨張している部分に、低温の流体を流すと、それに接する部分は熱膨張が小さいために、周囲の熱膨張している部分から引っ張られ引張応力が発生する。低温流体の流量変動や、図に示す様な管内での流れの「ゆらぎ」により、流体に接触する表面で温度変動が生じる。その温度変動部分は、周囲と温度差があるため引張応力の変動が生じ、疲労き裂が発生する。すなわち応力源が、流体の温度差に起因する熱応力であるため、この種の割れを「熱疲労」と言う。 この割れは、合流する2つの流体の温度差が大きいほど、流体の流量の変動があるほど、流体の熱容量(比熱)が大きいほど、また材料の熱膨張係数が大きいほど生じやすい。 この中で流体の熱容量は、一般に気体より液体の方が大きいので、気体の場合より液体の場合は、より小さい温度差で熱疲労が発生する。また、使用されている材料は、炭素鋼より熱膨張係数の大きいステンレス鋼の方が、熱疲労は発生し易い。 以上の特徴を基に温度差のある流体の合流部については、設計段階では熱応力を緩和するノズル構造にするとか、運転段階では熱疲労発生可能性のある部位について超音波探傷試験等で定期的に割れ発生を検査する必要がある。 もし、熱疲労の発生が検出された場合は、更新、運転条件の変更、および熱応力低減の構造改善等を検討して、実施する必要がある。
第155回「いまさらのAIことはじめ と 教育の方針」
2026.02.04
「えー、まじかー、できるのかー」 年末の夜、パソコンの画面に向かってつぶやきました。 学生さんから提出されたレポートを採点していて、1年前に比べて、エクストラな問題まで異様に正答率が高いことが気になっていました。学生さんがレポートに困難を感じたときに人に頼るケースがあることは認識していましたが、大抵は書き方の癖や変な間違いなどの特徴も伝播するので、それと分かります。しかし今回はバリエーション豊富に正解が。 まさかと思って、出題のPDFを大学で使えるGoogle系AIのGeminiに投入し、「解答して下さい」と入れたところ、綺麗な模範解答が出てくるではありませんか。実際に多用されたかまでは分かりませんが、ここまでAIが解けることは想定外でした。 慌てて出題中の他のレポートも試したら、それも。 むしろこちらが衝撃的で、解答の一つの「車軸が○○度傾いて取り付けられていた」とか、「左の車輪が先に回り出して○mm進んで~」とか、教科書には載らないような解答まで、思考力、実物に対する想像力を問うはずの問題でも正解が。かつ、安直な答えを抑制するための「○○は除く」のような条件にもちゃんと対応。ちなみに、ネットで検索してもいずれも答えは簡単には見つかりません。Geminiさん、私の科目、点数的には合格です、はい。 テキストだけで出題の“述べよ系問題”や数学の計算問題については、もっと前から対応できていたのですが(数式だけなら20年以上前から強いものがある)、図の読み取り、認識を伴うようなもの、組み合わせて思考するものはまだまだだと思っていました。いや、実際に今回急に来たので、今も急速に賢くなりつつあるのでしょう。出題中のレポートには「本文書をAIが取り扱うときは~」という文言を入れて対策の小細工をしました。 ここからの1ヶ月が私の「AI観」の転換点であったことは間違いありません。
第11回 てこの原理の活用と排除
2026.02.04
国立大学法人 九州工業大学支援研究員・客員教授堀田 源治
記事一覧
第11回 潤滑管理に関するQ&A
2026.02.09
第11回 てこの原理の活用と排除
2026.02.04
第155回「いまさらのAIことはじめ と 教育の方針」
2026.02.04
サステナブルなモノづくりのために No.107
2026.02.04
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.21
2026.02.04
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.20
2026.01.21
せつびさんとカンリさんの「モノづくり品質の基本のキ」#10 良い仕事をするための基本~その8 「事実に基づく管理 管理のサイクル」
2026.01.15
第10回 プロアクティブ保全と汚染管理
2026.01.13
第154回「時計をつくりたい と 最小公倍数」
2026.01.07
サステナブルなモノづくりのために No.106
2026.01.07
装置材料の損傷・劣化「べからず集」Vol.19
2026.01.07
第10回 力の釣合いとモーメント
2026.01.07